介護の仕事

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介護の仕事内容とは

介護の仕事の目的と介護職員の役割


介護の仕事の目的はご利用者の怪我や病気を治すことではなく、日常生活を支えることが目的です。
日常生活とは朝起きてから夜寝るまでに行うことです。

朝起きてから夜寝るまでに何をするでしょうか?朝起きたら歯をみがき、顔を洗い、朝食、掃除、洗濯、買い物、昼食、お風呂、夕食、就寝と日常生活の中でもたくさんのことを行います。テレビを見たり、おでかけをしたりといったこともあると思います。
そして1日に複数回トイレにも行きますよね。ご利用者の方の、これらの日常生活を支えることが介護の仕事の目的です。

介護職員の役割はご利用者に対して「なんでもやってあげる」「なんでもしてあげる」ということではありません。
例えるなら、介護職員は利用者の「眼鏡」のような存在です。

「眼鏡」は目を治すための道具ではなく、日常生活に不便な目の状態を補って日常生活を送れるようにする道具ですよね。
介護職員はご利用者の「眼鏡」の役割を果たし「必要な支援を必要な人へ必要な分だけ行う」ことが大切です。


介護サービスの種類には何がある?


介護のサービスは様々な種類がありますが、大きく分けると2つに分類できます。

■在宅系サービス
介護職員がご利用者宅に伺う訪問サービス(訪問介護や訪問入浴介護等)は、ご利用者がご自宅から事業所へ通う通所サービスや宿泊サービス、その中間にあたるサービスもあります。
最近では、リハビリに特化した通所サービスも増えており、ご本人の状態に合わせた内容にあったサービスの選択肢は増えてきています。在宅系サービスは「家」がサービスの拠点となります。

■入居系(入所)サービス
ご自宅での生活が身体的、認知症等の理由により難しくなり、施設に入居し介護サービスを受けるところになります。 認知症の状態である方しか入居出来ないグループホーム(認知症対応型共同生活介護)や自宅復帰を念頭においている老人保健施設、終の棲家となる特別養護老人ホーム等があります。
護の仕事は現場で介護業務を行う以外に、介護サービスの利用を検討している方やご家族の相談に応じたり、ケアプランを作成する仕事(ケアマネジャー)等もあります。また、施設長など様々な視点からマネジメント に専念する仕事もあります。


介護の仕事は資格がないと働けない?


介護職員の仕事は資格がないと働けないと思っている方が多位ですが、介護保険法上では無資格でも働けるサービスも多数あります。
特に通所系サービス、入居系サービスでは無資格で働けるサービスが多く、これは国家資格である介護福祉士が任用資格であることも理由の一つかもしれません。
誰にでもできる仕事ではありませんが、誰にでも仕事を始めるチャンスがあるということがいえるかもしれません。

介護保険法では無資格でも良いとされていても、法人によっては最低限の介護の資格は必須として募集している事業所もあります。
また、仕事をしながら資格が取れる、資格取得支援制度を導入している会社も多くあります。

さらに都道府県でも資格取得を支援している制度もあります。
東京都であれば毎年5月頃より、東京都介護職員就業促進事業という働きながら介護の仕事を期間限定で行う制度を実施しております。


介護の仕事に就くメリットは?


介護の仕事につくことで得られるメリットについて解説していきます。

■キャリアを築きやすい
人手不足が続いている介護業界では、「優秀なスタッフを一人でも多く採用し、長く勤務してほしい」という理由から、採用や人材育成に力を入れている事業所がたくさんあります。
また、介護職に関係する資格も多数あり、自分の目標を築きやすい点もあります。着々と実務経験を積みながら資格取得していきましょう。

■正社員登用や継続雇用などの制度が充実
パートやアルバイト、派遣スタッフからスタートしたスタッフを正社員に登用する「正社員登用制度」や、定年後も働き続けることができる「継続雇用制度」を設けている事業所もあります。
人生のいつからでも働き始められる介護職は、様々な方が仕事を始める機会の場となっております。
介護職の求人を探す時には、「正社員登用制度」や「継続雇用制度」などの制度があるかどうかもチェックするといいですね。

■過去の経験が役に立つ
介護職は体力仕事のイメージが強いですが、力仕事をしてきた男性にとってはそこまで重労働と感じないかもしれません。
サービス業で培ったコミュニケーションスキルを活かせたり、ご利用者の様子を記録、ケアプランの作成など多くの事務作業の仕事も含まれるため、 パソコンスキルやマネジメント力など様々な経験・スキルが活かせる職種となっております。

■自分の親の介護に活かせる
仕事で得た介護のスキルをプライベートで活かすことも可能です。
自分の親に介護が必要となった場合、介護のスキルや知識を持って適切な判断を下せるメリットがあります。これは、高齢化社会に生きる私たちにとって実は大きなメリットなのです。
また、介護事業所などの関係者と繋がっておくこともメリットであります。専門職への相談が気軽にできる環境を作れることも介護の仕事の魅力かもしれません。

■自分の人生観が変わる
介護という仕事は人と関わることの多い仕事です。
様々な方の人生に寄り添い、ご利用者の生活を支援することで、自分自身の人生観が変化することもあります。
相手の気持ちを汲みとり、今必要なことは何かを考えながら支援する仕事内容は、ご自身にとってもかけがえのない経験になることでしょう。


介護の仕事のデメリットは?


デメリットについても解説していきます。
「きつい」「大変」「しんどい」というイメージのある介護職ですが、実際どのようなデメリットがあるでしょうか。

■他業界に比べて待遇が低いことが多い
厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」によれば、2017年時の介護職員の所定内賃金は介護職が20万8,162円、訪問介護員が19万7,041円となっています。
全産業の平均月給が30万4,300円ですから、かなり低いことがわかります。

介護職の給料が安い理由の一つに、「無資格者の賃金が安く抑えられていること」があります。
有資格者の場合、無資格者に比べ、待遇が良くなります。また、無資格者が資格取得によって待遇アップするケースもあります。
無資格の方は、会社の支援制度を利用して、積極的に資格を取得していくと良いでしょう。

一概に、介護職が低い、というイメージで判断するのではなく、どのような資格を持っていると待遇が良いのか、をきちんと確認することが良いでしょう。
企業によって考え方様々ですが、キャリアアップ、正社員登用後に給与が上がるような仕組みをもっているところもあります。
企業や事業所を選ぶ際は、どういう取り組みを行なっているかに着目して就職先を探すのがおすすめです。

■体力が求められる
ベッドから起こしたり、車椅子に移乗したりと、介護の仕事は力仕事が多く、体力は不可欠です。
介護者が女性の場合、自分よりも身体の大きなご利用者(男性)を担当することも珍しくありません。
そのため、体力的な負担が大きくなり、仕事をしながらストレスを感じたりすることもあるかもしれません。
体力的な仕事の面もありますが、福祉用具(自動ベットや自助具)や介助しやすくなるためのスライドシートなど、道具を用いた介護技術をはじめ、ご利用者も介護者も負担にならないような介護技術も多く出てきました。
はじめからは難しいですが、少しずつ技術をもった介護ができるようになり、ストレスも和らいでくることでしょう。

■土日勤務や夜勤もある
入居系の施設、365日型の在宅型の事業所の場合、交代制で土日休日や夜勤勤務があります。
通所系の事業所は日中のみの勤務となりますが、土日休日も営業しているところも増えているため、こちらもシフト制で休日勤務があり得ます。


介護の仕事のやりがいは?


一人で生活することが難しくなった高齢者や障がいを持った方々に対して、生活の支援をする介護の仕事には、「人の役に立つ」というかけがえのないやりがいがあります。
「自立支援」というキーワードもあります。何かをして「ありがとう」と感謝されることではなく、自立支援を促すことで「ありがとう」と感謝を伝えることのほうが大切です。
何でもしてあげる、ことが大切ではありません。それではご利用者の役割や意欲を奪い取ることに繋がる可能性もあります。

人と向き合う仕事なので、時には上手にコミュニケーションが難しく悩むこともあるでしょう。
たとえば、常に怒った表情を浮かべているご利用者。
そんなご利用者に対して、何度も話しかけ、関わり、生活の支援をしていく中で、少しずつ心を開いてくれるようになります。

心と心が通い合い、自分が行った支援が役に立っていると実感できる瞬間を、何度も味わうようになります。
「この喜びがあるから、介護の仕事を辞められない」と感じる人もいます。
皆さんが想像している以上に介護の仕事を「楽しい」と感じている人は多いのです。


介護の仕事に向いているのはどんな人?


多くの仕事に適性があるように、介護の仕事にも向き不向きがあります。
どういう人が介護の仕事に向いてるのでしょうか。

人と関わることが好きな人
仕事柄、高齢者や障がいを持った方の生活を支援するため、人の役に立つことにやりがいを感じられる方に向いています。

聴くことができる人
介護技術、実際には損談援助技術に「傾聴」という言葉があります。
目と耳と心を相手に傾けながらきくという意味であり、高齢者や障がいをもった方の気持ちを受け止めることが大切です。
伝えることも大切ですが、聴くことは更に重要です。

小さな変化に気づける人
自立した生活が難しい方々をサポートするので、常に利用者の様子を観察し、わずかな変化にも気づくことが求められます。
たとえば、「いつもより表情が暗いな」「このレクリエーションをしているときは、いつも楽しそうだな」といったように常に観察していないと変化に気づけないことも多くあります。
初めて施設(事業所)を利用する方はもちろん、長年利用している方を注意深く観察することも大切です。
介護職一人ひとりの気づきがきっかけとなり、ご利用者が本当に必要とする支援を提供できるようになります。

協調性がある人
介護の仕事は一人で行うものではありません。
仲間の介護職や現場のリーダー、施設(事業所)に常駐している看護師、ご利用者のご家族、ケアマネジャー、自治体や医療機関、他の福祉施設、今では地域住民など、様々な人と関わりながら仕事を進めていきます。
そのため、協調性のある人に向いていると言えるでしょう。


介護の仕事へのイメージ、実際は違うかも?


ネガティブなイメージも持たれがちの介護の仕事ですが、実は多くのやりがいを得られる仕事であり、キャリア形成の上でもメリットがたくさんある仕事であることが理解できたと思います。
人材が不足していたり、他業界よりも待遇が低かったりと、まだまだ課題もありますが、少しずつ改善されつつあります。

「向いているかもしれない」「興味がある」という人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。「一生続けたい」と思える仕事に出逢えるかもしれません。