介護の基本・基礎知識
親族の介護に直面して、どうしたらいい?と悩んでしまったときに、介護に役立つ基本的な知識をご紹介します。
突然介護が必要になったら、こちらの記事を読んで参考にしてみてください。
まず、病気やケガなどで突然介護が必要になったとき、まず相談に行くべきところは、役所(市区町村)の相談窓口です。
介護で困った時は、まず役所(市区町村)にある介護保険課などに相談することから始めましょう。
お住まいの地域ごとに設置されている「地域包括支援センター」も役所にある介護保険課と同様に介護専門の相談窓口になります。
インターネットで「お住いの地域名 地域包括」で検索すれば出てきますし、最寄りのセンターの場所は役所でも教えてくれます。
相談窓口、とは言っても、地域包括支援センターへ自ら出向いて相談する方法と、相談員の方に自宅まで来てもらって相談する方法があります。
例えば親の認知症のことやお金のことなど、本人がいる前では話しづらいような内容を相談したい場合は、地域包括支援センターへ行って相談してみるのがおすすめです。
最近では身近に介護の専門職の方も増えていて、信頼できる方であればそういった身近な方への相談も活用すると良いです。
介護保険サービスを利用したい場合は、要介護認定の申請が必要になります。
こちらの申請を進めると、主治医に書いてもらう「主治医意見書」と調査員が本人の生活状況を確認する「認定調査」の結果で、介護レベルを表す要介護度が決定します。
また、申請には主治医のいる病院名や医師名が必要になるため、必要事項を確認、明記した上で申請手続きを行いましょう。
申請から認定結果が出るまでに約30日程度かかります。
介護認定がおりたら介護保険サービス利用の手続きを行います。
手続きや相談を終えて介護認定の結果がおりると、介護保険証が送られてきます。
ここからは介護保険サービスを利用するための手続きを解説します。
介護サービスを利用するには、ケアプラン(介護サービス計画)の作成が必要になります。
ケアプランの作成は「ご本人・ご家族が作成する(セルフケアプラン)」または専門知識を持った「ケアマネジャーに依頼して作成してもらう」という二つの方法があります。
しかし、ご本人やご家族が自力で作成するには知識と労力がかかるため、ケアマネジャーに依頼した方がスムーズです。
そのため、介護サービスを利用するにはケアプランが必要で、それを作成するために担当のケアマネジャーを決める、という手順が必要になります。
認定結果には大きく「要支援」と「要介護」があります。要支援の認定が出た方は、地域包括支援センターのケアマネジャーが、要介護の認定が出た方は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当することになります。
どちらの認定であっても、ご利用者を包括的に支援する小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーが担当することも可能です。
要介護認定の方は、市区町村役場からケアマネジャーが在籍している「居宅介護支援事業所」の一覧(小規模多機能型居宅介護)をもらい、その中からケアマネジャーを選ぶことになります。
ケアマネジャーを見つけたらご自身が困っていることについてそれをどう解決していくか相談しましょう。
何に困っていて、どういったことが大変か率直に伝えます。できることやできないことも伝えていきましょう。
各々が抱える介護について課題に対して、どのような解決策があるのかケアマネジャーが提案してくれます。
その提案を聞いて、最終的にはご本人とご家族でどうするのかの判断をし、サービス利用の手続きを進めていきます。
あくまでも提案に対して選択をするので、介護サービスを使わないということも選択肢としてはあります。
ケアマネジャーへ遠慮することなくご自身の状況に合わせて好ましいサービスを選択しましょう。
ここまでは自宅で介護サービスを利用することについて解説してきましたが、自宅での介護が難しいご家庭は介護施設への入居も検討してみましょう。
実際に入居をする場合には、どのような流れになるのか、解説していきます。
高齢者人口の増加に伴い介護施設も様々に多様化しています。
代表的なところでは、以下のような種別の施設があり、それぞれ各施設で提供されるサービス内容や入居対象が異なります。
・特養(特別養護老人ホーム)
・老健(介護老人保健施設)
・療養病床(介護療養型医療施設)
・介護医療院
・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム
・グループホーム(認知症対応型)
・サービス付き高齢者向け住宅
入居先としてふさわしい施設はどの種別か、状況に合わせて検討が必要です。
どのような施設があるのか、まずは情報収集です。
お住まいの地域によっては、介護施設の情報がまとめられた冊子が市区町村役場で手に入れられることがあります。
その中から自宅に近いところや、入居にかかる費用など参考にしながら見学する施設を決めます。
コロナ禍のため、見学するときには、施設の相談員宛に電話をして見学が可能か確認してから、見学しましょう。
見学をして希望に合う施設を見つけたら、入所の申し込みを行います。
見学する際に、チェックするポイントとして、もちろん綺麗な建物や環境は大切ですが、そこで働いている「人」に着目してください。
実際にこのような方にみてもらえるなら安心、と思える「人」かどうかを会って判断することも大切です。
突然介護が必要になったら、仕事や家事など従来通りの自分の生活は維持しながら、親族の介護も行うということもあるでしょう。
介護するうえで、介護をする方の社会的活動をどのように継続していくかということも問題になっています。
介護を取り巻く社会的背景について、ここでは解説していきます。
老老介護とは、65歳以上の高齢者が、同じく65歳以上の高齢者を介護している状態を指します。
高齢の夫婦で介護をしていたり、65歳以上の子どもが親の介護をしているという状態です。
介護者は、介護による疲れなど想像以上に体に負担がかかります。資格を持った介護職員でも腰を痛めることがあります。
老老介護では、介護をする側も介護が必要となる危険性が高いと言えます。
また精神的な負担も重く、高齢介護者の自殺や要介護者と共に命を絶つという報道も時折目にすることがあります
老老介護の負担を軽減するための体制づくりが求められています。
認認介護とは、認知症の高齢者が同じく認知症の方を介護している状態です。
認知症は、記憶力や判断能力の低下などがみられ、日常生活に支障をきたす状態を言います。
認知症の高齢者が介護をするリスクとしては、例えば一度飲ませた薬を再び飲ませてしまったり、食事を食べたと思いこんでしまい、食事を与えないといったことも生じてしまいます。
この状態での介護については、周囲のサポートが必要な状況です。
ダブルケアとは、子育てと介護を同時に行っている状態を言います。
自分の家庭生活をしながら、親の介護も行っているという状況です。
女性の社会進出や、晩婚化、出産年齢の高齢化により、自分の子の育児と親の介護が同時期に重なってしまうという背景があります。
また家族間の人間関係が希薄化し、家族間での協力が難しい環境になってしまい、ダブルケアを強いられている状況もあります。
ダブルケアは、女性に負担が集中してしまう傾向がみられます。
精神的にも、負担がかかり、育児や介護の悩みを聞いてくれる人がいない、といった声もあります。
介護は要介護度、家庭環境、周辺のサポート状況など複数の要因によって、介護といっても状況はご家庭によって大きく異なります。
大切なのは、介護について相談ができる人、心の支えとなる人がいてくれることです。
それは家族でもかまいませんし、ケアマネジャーなどの外部の人でも良いでしょう。
話がしやすく日頃の悩みやストレスのはけ口となる人が、介護生活には欠かせません。
また、介護を取り巻く状況は、少しずつ変わってきており、サポートしてくれるサービスも増えてきています。
突然介護が必要な状況になると、不安になることもあるかもしれません。相談できる人やサポートしてくれる人の力を借りながら、介護サービスを上手に活用し、負担の少ない介護生活を送りましょう。
突然介護が必要になったら、こちらの記事を読んで参考にしてみてください。
親、兄弟、親族の介護。それは突然やってくる。最初に相談すべき場所はどこ?
まず、病気やケガなどで突然介護が必要になったとき、まず相談に行くべきところは、役所(市区町村)の相談窓口です。
役所・地域包括支援センターの相談窓口はどこにある?
介護で困った時は、まず役所(市区町村)にある介護保険課などに相談することから始めましょう。
お住まいの地域ごとに設置されている「地域包括支援センター」も役所にある介護保険課と同様に介護専門の相談窓口になります。
インターネットで「お住いの地域名 地域包括」で検索すれば出てきますし、最寄りのセンターの場所は役所でも教えてくれます。
相談窓口、とは言っても、地域包括支援センターへ自ら出向いて相談する方法と、相談員の方に自宅まで来てもらって相談する方法があります。
例えば親の認知症のことやお金のことなど、本人がいる前では話しづらいような内容を相談したい場合は、地域包括支援センターへ行って相談してみるのがおすすめです。
最近では身近に介護の専門職の方も増えていて、信頼できる方であればそういった身近な方への相談も活用すると良いです。
介護認定の申請はどうやってやるの?どのくらいかかる?
介護保険サービスを利用したい場合は、要介護認定の申請が必要になります。
こちらの申請を進めると、主治医に書いてもらう「主治医意見書」と調査員が本人の生活状況を確認する「認定調査」の結果で、介護レベルを表す要介護度が決定します。
また、申請には主治医のいる病院名や医師名が必要になるため、必要事項を確認、明記した上で申請手続きを行いましょう。
申請から認定結果が出るまでに約30日程度かかります。
介護認定がおりたら何をする?次は介護保険サービス利用の手続き
介護認定がおりたら介護保険サービス利用の手続きを行います。
手続きや相談を終えて介護認定の結果がおりると、介護保険証が送られてきます。
ここからは介護保険サービスを利用するための手続きを解説します。
介護サービスを利用するには何が必要?
介護サービスを利用するには、ケアプラン(介護サービス計画)の作成が必要になります。
ケアプランの作成は「ご本人・ご家族が作成する(セルフケアプラン)」または専門知識を持った「ケアマネジャーに依頼して作成してもらう」という二つの方法があります。
しかし、ご本人やご家族が自力で作成するには知識と労力がかかるため、ケアマネジャーに依頼した方がスムーズです。
そのため、介護サービスを利用するにはケアプランが必要で、それを作成するために担当のケアマネジャーを決める、という手順が必要になります。
担当のケアマネジャーはどうやって探せばいい?
認定結果には大きく「要支援」と「要介護」があります。要支援の認定が出た方は、地域包括支援センターのケアマネジャーが、要介護の認定が出た方は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当することになります。
どちらの認定であっても、ご利用者を包括的に支援する小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーが担当することも可能です。
要介護認定の方は、市区町村役場からケアマネジャーが在籍している「居宅介護支援事業所」の一覧(小規模多機能型居宅介護)をもらい、その中からケアマネジャーを選ぶことになります。
必要な介護サービスについて何を相談すればいい?
ケアマネジャーを見つけたらご自身が困っていることについてそれをどう解決していくか相談しましょう。
何に困っていて、どういったことが大変か率直に伝えます。できることやできないことも伝えていきましょう。
各々が抱える介護について課題に対して、どのような解決策があるのかケアマネジャーが提案してくれます。
その提案を聞いて、最終的にはご本人とご家族でどうするのかの判断をし、サービス利用の手続きを進めていきます。
あくまでも提案に対して選択をするので、介護サービスを使わないということも選択肢としてはあります。
ケアマネジャーへ遠慮することなくご自身の状況に合わせて好ましいサービスを選択しましょう。
介護施設への入居を検討するのはどのような場合?
ここまでは自宅で介護サービスを利用することについて解説してきましたが、自宅での介護が難しいご家庭は介護施設への入居も検討してみましょう。
実際に入居をする場合には、どのような流れになるのか、解説していきます。
介護施設にはどんな種類があるの?
高齢者人口の増加に伴い介護施設も様々に多様化しています。
代表的なところでは、以下のような種別の施設があり、それぞれ各施設で提供されるサービス内容や入居対象が異なります。
介護施設はどのように探せばいいの?
どのような施設があるのか、まずは情報収集です。
お住まいの地域によっては、介護施設の情報がまとめられた冊子が市区町村役場で手に入れられることがあります。
その中から自宅に近いところや、入居にかかる費用など参考にしながら見学する施設を決めます。
コロナ禍のため、見学するときには、施設の相談員宛に電話をして見学が可能か確認してから、見学しましょう。
見学をして希望に合う施設を見つけたら、入所の申し込みを行います。
見学する際に、チェックするポイントとして、もちろん綺麗な建物や環境は大切ですが、そこで働いている「人」に着目してください。
実際にこのような方にみてもらえるなら安心、と思える「人」かどうかを会って判断することも大切です。
介護を取り巻く社会的背景は?
突然介護が必要になったら、仕事や家事など従来通りの自分の生活は維持しながら、親族の介護も行うということもあるでしょう。
介護するうえで、介護をする方の社会的活動をどのように継続していくかということも問題になっています。
介護を取り巻く社会的背景について、ここでは解説していきます。
老老介護とは?
老老介護とは、65歳以上の高齢者が、同じく65歳以上の高齢者を介護している状態を指します。
高齢の夫婦で介護をしていたり、65歳以上の子どもが親の介護をしているという状態です。
介護者は、介護による疲れなど想像以上に体に負担がかかります。資格を持った介護職員でも腰を痛めることがあります。
老老介護では、介護をする側も介護が必要となる危険性が高いと言えます。
また精神的な負担も重く、高齢介護者の自殺や要介護者と共に命を絶つという報道も時折目にすることがあります
老老介護の負担を軽減するための体制づくりが求められています。
認認介護とは?
認認介護とは、認知症の高齢者が同じく認知症の方を介護している状態です。
認知症は、記憶力や判断能力の低下などがみられ、日常生活に支障をきたす状態を言います。
認知症の高齢者が介護をするリスクとしては、例えば一度飲ませた薬を再び飲ませてしまったり、食事を食べたと思いこんでしまい、食事を与えないといったことも生じてしまいます。
この状態での介護については、周囲のサポートが必要な状況です。
ダブルケアとは?
ダブルケアとは、子育てと介護を同時に行っている状態を言います。
自分の家庭生活をしながら、親の介護も行っているという状況です。
女性の社会進出や、晩婚化、出産年齢の高齢化により、自分の子の育児と親の介護が同時期に重なってしまうという背景があります。
また家族間の人間関係が希薄化し、家族間での協力が難しい環境になってしまい、ダブルケアを強いられている状況もあります。
ダブルケアは、女性に負担が集中してしまう傾向がみられます。
精神的にも、負担がかかり、育児や介護の悩みを聞いてくれる人がいない、といった声もあります。
介護をする状況は家庭によって違う
介護は要介護度、家庭環境、周辺のサポート状況など複数の要因によって、介護といっても状況はご家庭によって大きく異なります。
大切なのは、介護について相談ができる人、心の支えとなる人がいてくれることです。
それは家族でもかまいませんし、ケアマネジャーなどの外部の人でも良いでしょう。
話がしやすく日頃の悩みやストレスのはけ口となる人が、介護生活には欠かせません。
また、介護を取り巻く状況は、少しずつ変わってきており、サポートしてくれるサービスも増えてきています。
突然介護が必要な状況になると、不安になることもあるかもしれません。相談できる人やサポートしてくれる人の力を借りながら、介護サービスを上手に活用し、負担の少ない介護生活を送りましょう。